

今日の一句〜熱帯季題「象」「水牛」「鰐」
2026年3月24日 ▪️ 象 朝起きて門を開けたら象がいた では太 ブリラムに引っ越してすぐ、朝起きたら門の前に像がいた。それが上の動画。象は散々見てきたが、こんなにカジュアルな感じで、朝起きたらいるというのは新鮮だった。と言っても始終こんなことがあるわけではなく、村の寺の本堂が建立される大イベントに呼ばれて来た象だったのである。 スーリン県タークラーン村の「象の村」から来たのかと聞くと、別の村からだという。 地元にああいうツーリストスポットがないので、こうやって出稼ぎをする のだと答えている。ちょっとした芸をやってもらったので、ご祝儀を渡そうと思っていたら、そそくさと寺の方に向かって去っていった。悪いことをした。 俳句は単なる日記。動画を見ればわかるが、門を開ける前から象は見えていたのだが、門を開けたことにして、少し句に動きをつけてみた。しかし、 日記の文章に過ぎないことに変わりはない。 モロコシを喉いっぱいに乞食象 では太 物乞いの象王都の草を喰みにけり 万斛 自分がタイに赴任して間もない頃、 バンコクを徘徊する象の増加が問題視...


今日の一句〜「椰子」「檳榔樹」と難民アプサラ舞踏団のココナッツダンス
エアダンサーのごと檳榔樹狂騒す 万斛 2026年3月21日 ▪️ 椰子 椰子殻をカスタネットの舞踏団 万斛 ヤシとヤシの殻は違うと言われるかな。 カンボジアの伝統舞踊で「ココナッツダンス」 というのがある。芸術学校の子どもたちが最初に教わる演目のようで、椰子の殻をカスタネットのように打ち鳴らながら踊る可愛らしいダンスである。以下映像。YouTubeから。 この動画では、比較的年嵩のティーンエイジャーが踊っているが、自分が最初に見たのは、 帰還難民のダンスグループの子供だちが踊るココナッツダンス だった。1992年か93年ごろか。だから、ココナッツダンスには「子供達のダンス」のイメージが強いが、先ほど、YouTubeで映像をいくつか見てみると、「恋愛適齢期の男女が踊るフォークダンス」という方が相応しいのかもしれない。 自分が見たものには、2本の竹の棒の上をゴム飛びのように飛ぶパートがあったと思うが、YouTube の動画中には見つからなかった。もしかしたら、あの振り付けは、難民舞踏団の独創だったのかもしれない。 「椰子の実」を口ずさみおる椰子の浜


今日の一句〜「バナナ」「パイナップル(鳳梨)」
親戚がくれたバナナと庭で摘んだ花 ▪️ バナナ 「あ、やばい」と薬飲むかに食うバナナ では太 忘れられ腐りて黒き バナナかな 万斛 一句目は、ちょっと胸の辺りが痒くなり始め、低血糖を抑えるために慌ててバナナを食べる・・・という 糖尿病あるある 。二つ目は、バナナを食べずにおいたら、黒ずんできて食べる気を無くしてしまった・・・という バナナあるある 。こちらも 季節感はおろか、熱帯のイメージすら何もない 。バナナが、あまりにも身近な、当たり前の存在になりすぎて、俳句的な感懐が生じないオールシーズン、オールプレイスな果物になってしまったからだ。 と、言い訳しているが、 虚子歳時期の例句 は以下、 バナナ買ふほどの馬来語覚えけり 三堂 こちらは、屋台で買うバナナのイメージでうまく南洋の雰囲気を出している。こういう手もあるわけだ。戦前の句だから、屋台というよりも、地べたにゴザでも敷いて、その上に野菜、果物をさまざま置いて売っている感じかな?しかし、 一世紀ほど経った現在のタイでは、バナナを野外で売っているイメージはあまりない 。痛みやすいからだろう。..


今日の一句〜熱帯季題「パパイヤ」「龍眼」
水牛のトロフィーのごとパイヤの木 万斛 今日の一句 この辺りは果物が続く。 ▪️パパヤ( パパイヤ) 目があってうなずくパパヤ採っていく では太 親戚が来て、庭にあるパパイヤを阿吽の呼吸で採っていく。別に改まって説明することもない。そういうタ イの村生活のルーティーン を歌った句。ちゃんと断って採って行くこともあるが、断らないでも、こちらは何となく理由がわかっている。 念の為に言っておくと、「自分の場合」、この句のようなことは、 村落生活に溶け込んでいるから起こるのではなく 、むしろ「 こいつには説明してもわからないだろう 」と思われているからそうなるのだと思う(笑)現実はそういうことなのだが、この句自体は、 タイの村落生活のアヤを一般的に詠み、一般的な意味合いを説明してみた。 閑話休題。例えば、パパイヤを借りにくる理由は、 帰省した娘がせがむ青パパヤ では太 バンコクから久しぶりに帰省した娘が、ソムタムが食べたいと言い出した 。家のパパイヤの木は実が落ちたので、親戚のところに借りに来たというわけだ。だから、採って行くのは、黄色く熟した甘いパパイ


今日の一句〜熱帯季題「マンゴスチン」「マンゴー」+「永遠の嘘をついてくれ」が泣ける
雨雲にマンゴーのそりのそりとす 万斛 ▪️ マンゴスチン 耳下腺痛しひと匙のマンゴスチン では太 添削 耳下腺にきたマンゴスチンのひと匙 では太 これは虚子歳時記に例句がなかった。 当時、マンゴスチンは、東南アジアを旅しても遭遇することが少ない、 希少な果物だったのだろうか? そういえば、自分が子供の頃は、スイカなどは旬のもので、夏しか食べられなかったと思う。今なら、タイに来れば、マンゴスチンくらいいつでも食べられるが。 耳下腺(じかせんと読ませる)とは、耳の下あたりにある唾液を分泌する腺。マンゴスチンというのは、かなり強烈に酸っぱい果物なのだ。甘いイメージより酸っぱいイメージ。 顎の奥が痛くなるくらいに酸っぱい。 もう一句、マンゴスチンは、 あの分厚い表皮のドス黒い赤 が印象的なのだが、いい形容が見つからなかった。以下は、いろんなタイプの赤を集めた色見本。ここで色を選んでみた、本当は どどめ色 がいいのだが、語感が悪すぎる。 「赤系の色一覧」 https://irocore.com/category/red/ 血の色で言うと、 動脈系ではなく


今日の俳句〜熱帯季題「ドリアン」「仏桑花」、「赤道祭り」「嫁選び」はパス
クレーンより高き舎窓の白むくげ 万斛 今日の一句、熱帯季題「ドリアン」「仏桑花」 「赤道祭り」「嫁選び」は全然イメージがわかないのでパス 。後者は、歌垣、カレン族の嫁選びみたいなものかな。それなら何かできるかも。 ※このリストから上から順番に作っています。 https://plaadipbkk.wixsite.com/plaadipbkk/single-post/tropical-haiku ▪️ドリアン ドリアンをかち割る鉈の気合いかな では太 これは、ドリアンを剥き慣れない私の奥さんの場合。 YouTube でプロがドリアンを剥いている様子を確認すると、すぅ、すっと、ドリアンの畝の谷側にナイフを入れて、一つ10秒くらいで房をとっていく。そのナイフの切れ味たるや、恐ろしいほどである。 これがプロバージョン。以下、映像。 こちらで句を読むと、 ドリアンにすっと刃を刺す気合いかな 万斛 ドリアンをサクサクと割く長ナイフ 万斛 虚子歳時記で掲載の句は。 明易くドリアン落つる谺かな 楚江 と格調高い。「明易く」は「夜が短かく、もう夜があけている


今日の一句〜熱帯季題「貿易風」「スコール」
狐の嫁入り天気雨 今日の一句、季語は「貿易風」「スコール」 ▪️パラオの海のたりのたりの貿易風 万斛 添削 パラオの海をのたりのたりと貿易風 万斛 タイの自分の住んでるあたりは季節風の影響が強くて貿易風は吹かない。だから想像で作った。与謝蕪村の有名な句のパクリ。 とにかく捻りだすことが重要 なのだ。 虚子の歳時記に掲載された句は以下、 国旗ふく貿易風は日もすがら ましろ 貿易風は南北緯度30度内に年中吹いている恒常風・・・とWIkiにはあり、タイはその緯度圏内に入っているが、私の住む イサン地区では季節風の影響の方が強く、貿易風は吹かない。 ただ、乾季になると、大陸から北東季節風が吹くので、貿易風と風向きは同じとなる。 最初、上の句を読んだ時、完全戦後生まれの自分は、 国連本部前にずらりと並ぶ万国旗 を思い浮かべたが、戦前という時代背景を考えて、台湾かな、と思い直した。それならば国旗とは日の丸のことである。 字余りになるからかもしれないが、「日の丸」と言わずに「国旗」としたことに、この句の奥行きを感じた。前の東京オリンピックの年に生まれた自分が


今日の一句〜季語「赤道」「木陰」「オアシス」
レインツリーもしくはモンキーボッド 2026年3月9日(月) 今日の熱帯俳句。季語 「赤道」「木陰」「オアシス」 ▪️「あれ、地球儀の赤線?」と指差す先に赤道標 では太 赤道の句、一応思いついたので発表。赤道の辺りを航行していると、 南海の孤島に赤道標なるものが立っている のに遭遇するらしい。 高浜虚子の昭和15年版歳時記 には次の句が掲載されている。 島に立つ赤道標や十字星 北浪 自分が、もし、そういうものに出会ったら、こういう幼稚な感想を述べるのではないか。そう想像して作った。めちゃ字余りだが、「字余りは初句に持ってくる」というプレバトで習ったセオリーに従った。 新しい物を見て、エキサイトしている感じが伝わればいいのだが。 実際には見たことがないけども、 大海原に浮かぶ小さな島に赤道標がポツンと立っている ことを想像すると、やはり、ワンピース風、海洋ロマン風に気持ちが昂るのである。 ▪️赤蟻の顎だけ残る木陰かな 万斛 二つ目は以前に投稿済み。木陰にいて時々えらい目に遭わされる 「熱帯アリ界のすっぽん、赤蟻」 を詠んだ句。特にマンゴーの木の下が










