

今日の一句〜熱帯季題「クロトン」「月下美人」「ブーゲンビリア」
ブーゲンビリア ◼️クロトン(例句なし) クロトンは日本語で変容木(ヘンヨウボク)。さまざまに色を変えることからこう呼ばれる。熱帯原産。日本では観葉植物として人気があるのだそうだ。タイでもよく見かけるが、雑に扱われている印象がある。うちの庭にも鉢植えがあるが、半分枯れかけている大ぶりの葉っぱに、毎日、惰性的に水をかけている。 昭和15年発行の虚子歳時記には例句が掲載されていない。やはり印象に残らない植物なのだろう。今のように、ネットで写真や動画を探すこともできない。自分も、この植物に関して、特に記憶に何かあるわけではないので、地味な路地裏の草、蔑ろにされて茶色に変色した鉢植えのイメージで、無理やり作ってみた。 クロトンに小便どぼとあたり跳ね では太 その辺りの空き地に生えているクロトンに立ちションベンをしている図。最初の一撃は、ドボっとかかり、次に飛び跳ねるので、慌てて後退りしている。卑俗な写生句だが、なんとなく感じがわかるという人は多いのではないか?最も、最近のタイは、そこらじゅうに監視カメラがあるので、おちおち立ち小便もできないのであるが。.


今日の一句〜熱帯季題「宝冠木」「ゴム」「榕樹(ガジマル)」
ガジマルではなくレインツリー ▪️ 宝冠木 沙弥僧の掃く手止まりて宝冠木 万斛 沙弥とは見習い僧のこと。沙弥とという言葉の中に、僧という意味が含まれているのだが、難しい言葉だし、字数を整えるために僧を加えた。句は、これといったアイデアもない、類想句。境内を掃いていた少年僧が、ふと手を止めて宝冠木の花を見上げた・・・というありがちな情景。無理やりタイっぽくするために・・・ サマネーンの掃く手止まりて宝冠木 万斛 にしようかな。 虚子歳時記に例句はなし。当時、結構、イメージの湧きにくい花だったのではないか?自分も映像が浮かばないので、どういう花なのかネット検索で調べた。小さな赤い花が、だんご状に丸まっている、あんまりパッとしない花。一見して「宝冠」というイメージとはならなかった。 ▪️ ゴム ゴムの木は、老木化して樹液が出なくなると、家具の材料として使われれる。重さは中程度(黒檀を一とすると0.5くらい、松や欅よりは重い)で、丸太も直径25ー30センチ程度と細いが、集積材として組み合わせて使われるので、家具はずしりと重い質感がある。 と、Google


今日の一句〜熱帯季題「火焔樹」「無憂華」「鳳凰樹」
火焔樹もしくは鳳凰樹 ▪️ 火焔樹 火焔樹のしたロティまつ少女おり 万斛 写真の 火焔樹(もしくは鳳凰樹)は 、 街道沿いにあるスーパーの駐車場にあるもの を撮ったのだが、その木の下に、アイスコーヒーを売る屋台がある。最近タイで流行りの、クスクスの白玉が入ったやつ。プラスチックコップの蓋をラミネートして、そこに太めのストローを突き刺して飲む。売っているのが、中学を卒業したばかりのような若い女の子で、この娘は、こんなところで日がな一日暮らして、若い時間を無為に過ごしていくのか・・・と感慨深く眺めている。余計なお世話だが(笑) アイスコーヒーだと熱帯ぽくないので、ロティの屋台にして。ロティが焼けるのを、火焔樹の木陰で、女の子が待っている・・・ そういう一枚の絵にしてみた。 虚子歳時記の例句は以下、 火焔樹の花と教へて手を翳す 楠窓 南洋住まいらしき作者が、日本から来た客に、「あれが火焔樹」と指差しながら教えて、日差しの強烈さに思わずその手を額にかざす・・・そういう瞬間を切り取っている。 熱帯の光の強さが、網膜の微かな痛みと共に伝ってくるようだ。流石に


今日の一句〜熱帯季題「象」「水牛」「鰐」
2026年3月24日 ▪️ 象 朝起きて門を開けたら象がいた では太 ブリラムに引っ越してすぐ、朝起きたら門の前に像がいた。それが上の動画。象は散々見てきたが、こんなにカジュアルな感じで、朝起きたらいるというのは新鮮だった。と言っても始終こんなことがあるわけではなく、村の寺の本堂が建立される大イベントに呼ばれて来た象だったのである。 スーリン県タークラーン村の「象の村」から来たのかと聞くと、別の村からだという。 地元にああいうツーリストスポットがないので、こうやって出稼ぎをする のだと答えている。ちょっとした芸をやってもらったので、ご祝儀を渡そうと思っていたら、そそくさと寺の方に向かって去っていった。悪いことをした。 俳句は単なる日記。動画を見ればわかるが、門を開ける前から象は見えていたのだが、門を開けたらそこにいたことにして、少し句に動きをつけてみた。しかし、 日記の文章に過ぎないことに変わりはない。 モロコシを喉いっぱいに乞食象 では太 物乞いの象王都の草を喰みにけり 万斛 自分がタイに赴任して間もない頃、 バンコクを徘徊する象の増加が問題視


今日の一句〜「椰子」「檳榔樹」と難民アプサラ舞踏団のココナッツダンス
エアダンサーのごと檳榔樹狂騒す 万斛 2026年3月21日 ▪️ 椰子 椰子殻をカスタネットの舞踏団 万斛 ヤシとヤシの殻は違うと言われるかな。 カンボジアの伝統舞踊で「ココナッツダンス」 というのがある。芸術学校の子どもたちが最初に教わる演目のようで、椰子の殻をカスタネットのように打ち鳴らながら踊る可愛らしいダンスである。以下映像。YouTubeから。 この動画では、比較的年嵩のティーンエイジャーが踊っているが、自分が最初に見たのは、 帰還難民のダンスグループの子供だちが踊るココナッツダンス だった。1992年か93年ごろか。だから、ココナッツダンスには「子供達のダンス」のイメージが強いが、先ほど、YouTubeで映像をいくつか見てみると、「恋愛適齢期の男女が踊るフォークダンス」という方が相応しいのかもしれない。 自分が見たものには、2本の竹の棒の上をゴム飛びのように飛ぶパートがあったと思うが、YouTube の動画中には見つからなかった。もしかしたら、あの振り付けは、難民舞踏団の独創だったのかもしれない。 「椰子の実」を口ずさみおる椰子の浜


今日の一句〜「バナナ」「パイナップル(鳳梨)」
親戚がくれたバナナと庭で摘んだ花 ▪️ バナナ 「あ、やばい」と薬飲むかに食うバナナ では太 忘れられ腐りて黒き バナナかな 万斛 一句目は、ちょっと胸の辺りが痒くなり始め、低血糖を抑えるために慌ててバナナを食べる・・・という 糖尿病あるある 。二つ目は、バナナを食べずにおいたら、黒ずんできて食べる気を無くしてしまった・・・という バナナあるある 。こちらも 季節感はおろか、熱帯のイメージすら何もない 。バナナが、あまりにも身近な、当たり前の存在になりすぎて、俳句的な感懐が生じないオールシーズン、オールプレイスな果物になってしまったからだ。 と、言い訳しているが、 虚子歳時期の例句 は以下、 バナナ買ふほどの馬来語覚えけり 三堂 こちらは、屋台で買うバナナのイメージでうまく南洋の雰囲気を出している。こういう手もあるわけだ。戦前の句だから、屋台というよりも、地べたにゴザでも敷いて、その上に野菜、果物をさまざま置いて売っている感じかな?しかし、 一世紀ほど経った現在のタイでは、バナナを野外で売っているイメージはあまりない 。痛みやすいからだろう。..


今日の一句〜熱帯季題「パパイヤ」「龍眼」
水牛のトロフィーのごとパイヤの木 万斛 今日の一句 この辺りは果物が続く。 ▪️パパヤ( パパイヤ) 目があってうなずくパパヤ採っていく では太 親戚が来て、庭にあるパパイヤを阿吽の呼吸で採っていく。別に改まって説明することもない。そういうタ イの村生活のルーティーン を歌った句。ちゃんと断って採って行くこともあるが、断らないでも、こちらは何となく理由がわかっている。 念の為に言っておくと、「自分の場合」、この句のようなことは、 村落生活に溶け込んでいるから起こるのではなく 、むしろ「 こいつには説明してもわからないだろう 」と思われているからそうなるのだと思う(笑)現実はそういうことなのだが、この句自体は、 タイの村落生活のアヤを一般的に詠み、一般的な意味合いを説明してみた。 閑話休題。例えば、パパイヤを借りにくる理由は、 帰省した娘がせがむ青パパヤ では太 バンコクから久しぶりに帰省した娘が、ソムタムが食べたいと言い出した 。家のパパイヤの木は実が落ちたので、親戚のところに借りに来たというわけだ。だから、採って行くのは、黄色く熟した甘いパパイ


今日の一句〜熱帯季題「マンゴスチン」「マンゴー」+「永遠の嘘をついてくれ」が泣ける
雨雲にマンゴーのそりのそりとす 万斛 ▪️ マンゴスチン 耳下腺痛しひと匙のマンゴスチン では太 添削 耳下腺にきたマンゴスチンのひと匙 では太 これは虚子歳時記に例句がなかった。 当時、マンゴスチンは、東南アジアを旅しても遭遇することが少ない、 希少な果物だったのだろうか? そういえば、自分が子供の頃は、スイカなどは旬のもので、夏しか食べられなかったと思う。今なら、タイに来れば、マンゴスチンくらいいつでも食べられるが。 耳下腺(じかせんと読ませる)とは、耳の下あたりにある唾液を分泌する腺。マンゴスチンというのは、かなり強烈に酸っぱい果物なのだ。甘いイメージより酸っぱいイメージ。 顎の奥が痛くなるくらいに酸っぱい。 もう一句、マンゴスチンは、 あの分厚い表皮のドス黒い赤 が印象的なのだが、いい形容が見つからなかった。以下は、いろんなタイプの赤を集めた色見本。ここで色を選んでみた、本当は どどめ色 がいいのだが、語感が悪すぎる。 「赤系の色一覧」 https://irocore.com/category/red/ 血の色で言うと、 動脈系ではなく










