

【再掲】タイ生命保険の感動CMから〜タイ懐メロの名曲「天上のフロアーで」
By Hideki AKIYAMA 日本でも少しだけ知られているタイ生命保険のコマーシャル。この広告シリーズの感動の押し売りには辟易させられることが多いが、このCMはそれほどわるくない。妻がアルツハイマーにかかった老夫婦を演じる二人の自然な演技が素晴らしく、「きれいごとだなあ」と思いながらも感動させられる。監督はタイCM界の巨匠、タノンチャイ・ソンシウィチャイ。(※と、YouTubeの備考欄にあったが、もし間違っていたら教えてください) 妻が食事の時にいつもかけていたレコードに、今は妻を介護する夫が針を落とすと、記憶にふっと昔が蘇つて二人でタンゴを踊りだす、その曲が「いい曲だな」、と思ってオリジナルを探してみた。 曲名は 「天上のフロアーで」。歌詞の意味はざっとこんな感じだ。 心は楽園にいるように躍動し カンダルヴァ宮殿(インド神話の空想上の楽園)が近づいてくる タイの天使たちは抱擁しあい飛び去っていく 天上のフロアーを喜びに酔いながら アップテンポの優雅なリズムに心は夢見心地 歌の調べに酔って歓喜は極まる プラレーン(宮廷舞踊の一種)の素晴らし


【再掲】今月の表紙・・・タイ東北部のオバケ文化を深掘りする(サラカディー誌2023年8月号)
https://www.sarakadee.com ※2023年9月26日にアジア日誌に投稿投稿 <タイのピー文化を深掘りする> タイの文化、芸能、芸術、政治、環境、社会問題などなど、幅広いテーマを取り上げて、ハイクオリティな写真と共に深掘りしてくれる月刊誌、 サラカデディー誌 。今回のテーマは、タイ東北部の精霊(ピー)信仰である。「信仰」と言えば聞こえがいいが、オバケ、妖怪、魔物の類の、イサーン人の精神の基層を支配する混沌、迷信的なものへの依存と恐怖を、マニアックだが真面目な視点で解説してくれている。 私などは、この特集のおかげて、ピーカ、ピーポープ、ピーパオ、ピーポーン、ピーコンコーイなどなど、水木しげる張りに個性豊かなタイの妖怪世界に少しだけ触れることができた。上に挙げたのは、イサーン(タイ東北地方)南部に伝わる妖怪だが、ざっと紹介しておくと・・・ <ピーカ> 女性の体に憑依して浮気者にさせる妖怪。このピーに取り憑かれると、女性は昼間は家に引きこもるようになり、肌は黄ばんで器量が落ちるが、夜になると美しい女性に変貌して着飾って外出し、


今年も「メコンの火の玉」は打ち上がり、人々は熱狂する・・・?、ん、だろうな(ため息)
上は、昨年のメコンの火の玉行事に関するニュース。Amarin TVから。ペートンターン前首相が出席して大々的に、行事の開催を告げていた。火の玉現象を「タイのソフトパワー」として海外に売り出すのだそうだ。 「メコンの火の玉」とは、毎年、雨安居明けの日に、メコン川から火の玉が打ち上がる「怪奇現象」のことだが、自然を相手にしながら、毎年同じ日に行事化されていることが既におかしい。この、自然現象ならぬ「超自然現象」が、ある種の勘違いをきっかけとして、地方観光の目玉とされたことは、以前の投稿で説明しておいた。 ※「タイ的な、あまりにタイ的なメコンの火の玉の真相」 https://plaadipbkk.wixsite.com/plaadipbkk/single-post/mekong-fire-ball 外国から来た余所者としては、何事も深く突っ込まず、表層にパクチーをふりかけて楽しむタイ人気質を、珍しげに眺めているだけでよいのだが、火の玉のカラクリを暴いて左遷されたテレビ関係者や、この問題を追求し続けて、こっぴどく誹謗中傷を受けている反トンデモ系ユーチュー


【再掲】イサーンの集団埋葬地〜「パーチャー (埋葬の森)」
タイ村落部の集団埋葬地「パーチャー」 「埋葬の森」とでも訳すのか。タイ語で ป่าช้า パーチャー。寺の焼き場での火葬が一般化する前、亡骸が埋められていた森のことだ。私の奥さんの話だと、彼女の子供の頃、50年ほど前までは、この森に亡骸を運んで埋めていた。一種の集団埋葬であり、墓標で死者を明示するわけでもなく、埋葬すれば、その後、訪れることもなかったという。日本人の感覚からすると信じがたいことだろうが、生粋のタイ人は祖霊信仰を強く持たないから、そうであったとしても、不思議はない。 タイの葬儀については、火葬した後に、海や川に散骨するローイアンカーンがよく言われるが、奥さんの実家であるこのイサンの村ではそういうことはしない。お骨を骨壷に入れて、お寺か自宅に保管するだけである。しかし、そうするようになったのも、比較的最近のことのようだ。(パーチャーは埋葬地であると共に、そこで遺体を焼くこともあったようだから、火葬して遺骨を寺に預ける習慣は以前からあったのかもしれない) この森は、村から街道に出てすぐの所にある。パーチャーという言葉は知っていたが、こん


【再掲】今週の一枚〜メロン入りかき氷
2017年8月24日に投稿。物価や交換レートは当時のものである。 これは、タイのかき氷、タップティムクロッープ。タップティムは柘榴(またはルピー)、クローップとは噛んだ時のサクサク音の事。赤い柘榴の実のような粒菓(本物の柘榴の実よりは大きめである)を、細かくした氷に入れて食べることから、こういう名前になったんだろう・・・と思う。 高級タイ料理店のデザートとして出てくるときは、白いドクマリの花(ジャスミン)が脇に添えてある。だから赤と白のコントラストが美しい。 屋台で食べる時は、黒豆、干天、白玉、慈姑の実、杏仁豆腐、カボチャ蕎麦、レンコン等々、10数種類の具(トッピングという言うことにする)が用意されてて、選んだ数によって値段が違ってくる。 この日食べたのはショッピングセンターの屋台食堂街で売っているタップティムクロッープ。トッピングを3つ選べて値段は30バーツ(100円)である。これでも、通りの屋台で買うよりは少し高い。 ヤシの実のゼリーとカンテンの他に、テンタイ(แตงไท)を頼んだ。テンタイとは、上の写真にあるライトグリーンの果物


【再掲】象観光を生み出した一枚の写真
By Hideki AKIYAMA (象センターにかかる「象狩り」の写真 スーリン県タートゥム郡) Elephant Round Up (象狩り)と呼ばれる一枚の写真。半世紀以上前に、「象の村」があるスリン県タートゥム郡で撮影された。スリン市内のティパオーン写真店の店主が、「ある象使いのリーダー」に招かれて撮影したもので、象使い達はみな「パカムの綱」と呼ばれる象狩りに使う縄を携えている。 ※スリン県が発表している文章では「ヘリコプターが不時着した時、象に乗って見に来た住民たちの写真」とあるが、それでは象狩りの用意をして集まっていることと辻褄があわない。 スリン県の象使いは、毎年乾季、カンボジア側にある野生象の生息地に、象のキャラバンを組んで乗り込み、象狩り(野生象の捕獲)を行うのが常だった。彼らは、カンボジアを故地とするクワイ族という少数民族であり、国境が画定される前から、カンボジア領内で象狩りを行ってきた人々である。 その伝統が途切れるのが、写真が撮られたこの時期だ。1953年、カンボジア独立をきっかけに、タイ―カンボジア国境にある遺跡


【再々掲】タイ的な、あまりにタイ的なメコンの火の玉の真相(2021年8月に投稿したものを、新しい情報を少し加えて再々掲)
※2021年8月11日に投稿。最新の情報を少し加えて2023年12月に再掲。今回、少し情報を付け加えて再々掲示。この話を何度も取り上げるのは、何だか、いい意味でも悪い意味でも、タイを象徴する事例のように思えるからだ。 みなさんは「メコン川の謎の火の玉」という現象をご存知だろ...


メーナーク〜タイで一番有名な幽霊の話
By Hideki AKIYAMA メーナーク、タイで一番有名な幽霊である。これまで何度となくドラマ化、映画化されてきた女のお化けだ。私の住んでいるプラカノン地区の運河沿いにマハーブット寺という有名なお寺があるが、その境内にこの幽霊が祀られている。 メーとはタイ...







