

歌曲「可愛いスーちゃん」 6. 阿田(あでん)病床で幻覚を見る
メロディーに飽きたので、長調に転調した。楽譜ソフト(私が使っているのは、Finale Notepadというソフト。無料でダウンロードできる)を使えば、ワンクリックで転調できる。 しかし、おそろしい時代になったものだ。こういう作曲用ソフトがなければ、学校時代、音楽の授業では窓...


連作唱歌「可愛いスーちゃん」 5.阿田(あでん)この世に帰って後悔する
病膏肓に入った感がある。効果音をつけすぎたかも。最後にマシンガンの音が入るのでイヤホンで聞いているかたは気を付けてください(もう遅いか?) スーちゃんの呼び声に我に返った阿田は、空襲に破壊された瓦礫の中にいるのですな。せっかく鴉になって悠々と空を飛んで、あの世だか、次の世だ...


連作唱歌「可愛いスーちゃん」 4.阿田(あでん)スーちゃんの声で我に返る
やっとスーちゃんが出てきた(笑)これに関しては「可愛いスーちゃん」という兵隊哀歌があって、森繁久彌や渥美清などが歌っている。 お国のためとは言いながら 人の嫌がる軍隊に 召されていく身の哀れさよ 可愛いスーちゃんと泣き別れ...


連作唱歌「可愛いスーちゃん」 3.阿田(あでん)人語を忘れ狼狽える
阿伝は、鴉になっていい気持ちで過ごしてたが、ふと自分が人間の言葉を忘れかけていることに愕然となり怖くなる。もう鴉になっちゃえばいいのに、とも思うのだが、それだとそこで終わってしまう。 人でなくなることへの恐怖は、高校の時読んだ、中島敦の「山月記」に描いてあった。虎になってし...


連作唱歌「可愛いスーちゃん」 2.阿田(あでん)鴉となり空を舞う
人間が鴉になる話は、確か明代の怪談集「聊斎志異」にあったと思う。科挙に落第した書生が洞庭湖のほとりで呆然としていると、突然、自分が鴉になるのを見るのである。そして、この怪談集の常で、書生は素敵な鴉の伴侶にめぐり逢う。 「聊斎志異」は、角川文庫から柴田天馬という人の訳で分厚い...


連作唱歌「可愛いスーちゃん」 1. 阿田(あでん)、三途の川を越える
これは、昨年4月、下の姉貴が死んだあとくらいに作り始めた。 芒を歩く情景は、中学の頃の女の先生の話から思いついた。先生は、子供の頃、風呂場で滑って頭をうち生死の境をさまよったのだが、そのあいだ、夢の中で、ずっと芒の原を歩いていた。寒くも、暑くも、悲しくも、苦しくもなく、スウ...