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ADO日誌(2025年)

  • somsak7777
  • 9月8日
  • 読了時間: 10分

更新日:9月10日

2025年1月3日


ノート 素晴らしい。ちゃんと英訳が入っている。これから外国人に、「日本人の宗教観ってどうなってるの?」と聞かれたら、これを見せることにする。大体が、こういう感じのファジーな無神論者ではないか。しかし、この歌詞、笑えて、しかも、結構、深いのですね。さすがボカロプロヂューサーが作っただけのことはある。「それっぽい単語集で踊ってんだ」なんて、いい感じに鋭いフレーズ。「神も仏も所詮、その程度のもん、言葉に過ぎんだろう」と思う。


しかし、一方で、椎名麟三ではないが、「本当のもの」を心の奥で求めている気配もあるのだ。「全部理解して患った、無邪気に踊っていたかった人生」という締めの歌詞にそれを感じる。これは深読みじゃないと思う。みんな、(宗教ガイキチ以外は)そういう不安を抱えて生きているわけで、だから、時々、気の迷いで、妙な宗教に引っかかったりするのだ。そういう日本人の宙ぶらりんな、不安定な感じが滲み出て、この歌のラストが少しだけ哀感を帯びるわけだ。



2025年1月11日


コンサートの後半、疲れ切った声で歌うADOも悪くない。聞かせどころで声が戻ってくる時の回復力がすごいのだ。やっぱり天才だなあ。




2025年1月31日


ADOの新曲「エルフ」


※映画じゃないけどタネアカシありの注意報。


「クジャクのダンス、誰が見た?」とかいうドラマの主題歌、ADOの「ELF」。いやはや、アニメの主題歌ですらないのですな。アニメーションというかイラストは沼田ゾンビという人。ふざけた名前だが、「ギラギラ」のイラストを担当した人でもある、すごい才能。MVに、関連した映画やドラマとは独立したアニメーションがつくというのは、ADOならではのことだろう。


しかし、やっぱりADOは天才だなあ。歌も曲も良い。歌詞の生硬な感じは、聞いているうちに気にならなくなることはわかっている。これは、ボカロから出た作り手の特徴で、言いたいことがあるから、生硬になるのだ。ただ、「1000年のホームシック」というのはいただけない。英語を使う以上、ああいう風に間延びさせちゃダメでしょう。それに、名詞表現はhomesickness なので翻訳テロップで直されている。「忘れたことも忘れてしまえ」というサビのフレーズは気に入った。


※ここからがタネアカシ。


ただただ美しい曲かと思っていたら後半にADOらしいサプライズ、ケレンがある。こんなことをする歌手を他に見たことがない。ミュージカルの歌手とかならあるのかな。まあ、音楽に関しても無学な自分だから、そう思うのかもしれないが、特別の音楽的教養を持たない人や、若い人の大半は、自分と同じように驚くのではないか。ADOは聞いてのお楽しみ。(笑)


ではでは



2025年2月14日



うーん、微妙。演出がダメだな。あまりにもベタだし、音は綺麗に聞かせて欲しい。演技のできないADOに喋らさない展開を考えるとか、配慮も欲しかった。それに、ロックスターって、ブラックピンクのリサのマネじゃないの。




2025年3月1日


YouTuber カトリンカさんのサイトから。

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コメント欄は、ADOの新曲にリアクションしたYouTubeサイトから。コメントしている15才の女の子は、今夏に催されるADOのコンサートを見るため、キエフから24時間かけて、長距離バスでベルリンまで行くのだそうだ。(1400キロ!)彼女はこう書いている。


I'm so excited to be able to go to her concert! I'm only 15, and I'm going to travel 1400 km alone, more than 24 hours only one way, from Kiev to Berlin just for Ado. I have to spend nothing from my scholarship (which is only about 30 dollars a month) for a year to be able to pay for the bus there and back, but I'm so happy....


月30ドルの奨学金を何にも使わないで一年間かかって往復のバス代を貯めたのだけど、でも、本当に幸せ・・・


ADOの大ファンとして知られるボーカルコーチのカトリンカさんは、心配のあまり、悲鳴をあげるような調子で、こう答えている。


oh damn baby just stay safe okay? That is a whole JOURNEY you are going on and it can be dangerous. Please please be double cautious when traveling! <3


ほんとうに安全には気を付けて、わかった?長い旅だし、そこには危険がつきまとうの。ほんとうに、ほんとうに気をつけてね。


自分も同じ気持ちだ。この後の返信で「ワルシャワで年上の友人と合流するから大丈夫」などと書いているが、その人は本当に信用できる大人なのだろうか?・・・などと、事情をよく知らないで心配している。



このコメントがエルフのリアクション投稿に寄せられたことは、ちょっと象徴的だ。自分には、この歌は、「怪獣のような世界の隅っこ」にいる彼ら不遇の若い人の、抑圧された可能性への応援歌・・・あるいは鎮魂歌のように聞こえるのだ。


「同胞が祖国の独立を守るために戦っているときに、他国までアニメ歌手のコンサートを聴きに行くのか!」・・・などとは思わないでほしい。人間、どういう状況でも歌は歌うのだ。ウクライナ版「ザ・ヴォイス」はロシアの侵略後ほどなく再開したが、それは、ウクライナの強さと見るべきだろう。


小説「黒い雨」の中で、主人公が原爆の惨禍を目の当たりにしながら、「正義の戦争より不正義の平和の方がいい」と心の中で叫ぶシーンがある。ロシアの侵略から3年が経過して、ウクライナの人がそう考えるようになったとしても、他国の人間がとやかく言える話しではないだろう。しかし、「ウクライナが侵略を始めた」などというたわけた前提で停戦が押しつけられるならば、侵略に抵抗して死んでいった人が浮かばれないではないか。


トランプの、あの血迷いきった暴言と前後して、このウクライナの女の子のコメントを見て、複雑な気分になった。結局のところ、自分は、彼女がADOのコンサートに無事辿り着けるよう、アジアの隅っこから、お祈りするくらいのことしかできないわけだから。


<了>


ADOの「エルフ」



2025年3月14日



これは凡作。残念。聞く歌全てがBanger というADO神話が乱れたという印象。アクセス数もADOの歌にしては伸びておらず、4日間で60万ちょっと。


CMソングというのは、商品イメージが神であり、曲想も歌詞も、その制約を受けて、最大公約数的な受けを狙うことになる。 だいいち、ADOの歌声は爽やかな朝に似合わないのである。海外YouTuberの反応もイマイチだから、海外ツアーを前に、彼らを魅了していたADOの魔法が解けないか心配。今のところは、惰性で、曖昧に誉めているが、あんまりノレていないことが雰囲気でわかるのである。イラストも良くない、というか、この曖昧な表情、何を狙っているのかな?



2025年3月15日



バンコクでやらないかな。これなら手軽に行けそう。


「リマスターリングした完全音響」といっても、オートチューンなどは使ってないようで、この予告を見る限りでは、音程が微妙だったり、涙声になったりしたところ(「桜日和とタイムマシーンでの初音ミクとの共演)なども、そのまま使っている。


「17歳最後の日にリリースされた「うっせぇわ」が記録的大ヒットし、音楽業界に衝撃を走らせた鮮烈なデビューを果たし、数々の偉業を成し遂げたAdoが今度はスクリーンに登場! 2024年東京・国立競技場で行われた〈Ado SPECIAL LIVE 2024心臓〉の劇場公開が決定。さらに自身2度目となる世界ツアー〈Ado WORLD TOUR 2025 Hibana〉を待ちわびるファンのため、世界の劇場でも上映される世界公開も決まった。 伝説のライブ‟心臓“の鼓動が世界に響くー 劇場版にリマスタリングされた≪完全音響≫と大スクリーンに映し出される圧巻のパフォーマンスが観る者をライブ会場へいざなう。‟心臓“の臨場感があなたを包み込む極上体験[立体音響技術Dolby Atmos]での上映も決定。新たな‟心臓”がスクリーンから放出され全身で浴びる至高の140分をぜひ劇場で。」


YouTube概要欄より。


劇場公開するために何Kくらいで撮っているのだろうか。



2025年3月27日



この歌、藤田淑子が歌っていたのか!声優というものの才能の凄さよ!今でもすごいんでしょうね、声優は。声一本で勝負するという意味で、ADOに通じるですよ。ではでは



2025年4月5日



この正統的アニメーションの堅実かつ豪勢な表現力。何度見ても感動するし、ADOの歌に圧倒させられる。最後は、やはり、姉、あるいは年上の友人を送る、教会でのピアノ演奏だと自分は思う。



2025年4月14日


これもイマイチ。ボカロプロデューサーの作品だが、メッセージ性を意識しすぎて歌詞がつまらない。楽曲も、ある年配のユーチュバーが言っていたが、ロックのリアルを感じさせない「装飾品」という感じがする。ADOのテクニックが完成しすぎているからで、こういうのは、ちょっとヘタになるライブで聞いた方がいいのかもしれない。自分は、ADOの歌の大半はスタジオバージョンの方がいいと思うし、ライブでもオリジナルのように歌って欲しいと思う方なのだが、この歌に関しては、ライブで思いっきり崩して歌った方が、良くなるような気がする。



2025年5月1日



これは明菜の方が全然いいな。低音の不安定な感じも、高音のビブラートも、明菜の方がいい。声はよく似ているのだが、ADOには向いていない曲だと思う。



2025年7月6日



※訂正です。ADOの「唸りスクリーム」の方が、鈴華ゆうこより先でした。つまり、あの唱法をポップスに取り入れたのは、天才ADOなのですね。これ一年ほど前、調べて書いたことがあるのですが、真逆に記憶してました。失礼いたしました。とほほ


もう一つ、付け加えておくと、あの「1、2、3 ふあきゅー」はオリジナルにすでにあったのだ。ですから、ADOのイメチェン云々は、完全に私の妄言。まあ、書いている時から、「違うだろう」と思っていたが・・・


ADOの「エゴロック」再カバー。


相変わらず素晴らしいが、あのラストフレーズ・・・(笑)、相変わらずやってくれますな、ADOは。しかし、この歌は、というか、あのラストフレーズは、「いじめられっこの軽いのりの魂の叫び(笑)」的な日本語歌詞の哀愁が感じられなければ、非日本語話者にちゃんと理解されないのではないか。「下から目線のうっせえわ」、なんですね、この歌は。そういえば「うっせえわ」の「くそだりいな」という歌詞には、F**k you という翻訳テロップが付いていた。


とんでもない歌を歌っている割には、品行方正のイメージがあるADOが、イメチェンを考えているのかもしれないが(多分、違うだろうが)、このくらいのことで、「真面目なインキャの日本人歌姫」という彼女のイメージが壊されることはないのである。海外の反応も概ね「軽い驚き、のち爆笑」という感じだった。


ADOの公式ページには下のようにコメントしておいた。ChatGPTとの合作英文。


Actually, she covered the song 6 or 7 years ago. This is a reboot of that earlier cover. I think the previous one was also the starting point of her signature groan, “Haaaaaa.” Maybe they should consider providing a better English translation. Otherwise, the last phrase sounds a bit too out of the blue and out of context for non-Japanese speakers—even I (a Japanese speaker) was still shocked by that sudden “Fuck you”… and I loved it anyway. Hahaha


それからあのADOの代名詞となった、都はるみ、ばりの、「がなりスクリーム」、「はあああああ」、は、この歌の旧バージョンが最初ではないかと・・・。以前、ADOの歌い手時代の歌をトレースした時、そういう結論に達した。オリジナルはあのパートでがなっていないのである。しかし、これが、ADOの独創かというと、彼女の前に、「和楽器バンド」の鈴華ゆうこさんがカバーをアップしている。詩吟のお師匠さんでもあるゆうこさんは、当然のように、あのパートをがなっているのである。ADOが「和楽器バンド」に影響された可能性があるわけだ。


もし、今後、ADOの評伝を書く人がいれば、これ、私の発見ですからちゃんと引用してくださいね(笑)


※ここ完全に間違い。以前調べて書いたことを記憶していた・


ではでは



2025年9月5日



ADOのニュアークでのコンサート後、感動冷めやらぬファンにインタビューしている動画。ADOはライブもすごいが、スタジオバージョンがあまりに完璧だから、ライブを聞いて失望する人もいるのではないかと心配していたのだが(余計なお世話)、ADOの海外での人気がホンモノだと確信できるインタビューだった。


じっくりと、多くの人に話を聞いていて、マスコミの誘導型、切り取り街頭インタビューとはわけが違う。だからホンモノだと確信できるわけだ。ADOとワンオクの海外人気はマジだ。これまでの、日本人向け「お手盛り的「海外で人気の」とは質が違う。


投稿されたこの方、なんと、コンサートの前後に三回に分けてインタビューを投稿していて、1と2はコンサート前のもの。こちらも、たくさんの人の意見をじっくりと聞いて、日本語字幕付きで紹介してくれている。労作だし、なんか、感動的。やはり、ファンの人も、スムーズに生きられなくて苦労している感じの人が多いのだ。おそらく、テイラー・スゥイフトのコンサートに来る人はこんな感じではないだろう。



2025年9月9日



ADOがグラミー賞の公式チャンネルに登場。埼玉スーパーアリーナでのパフォーマンス。バックコーラス(ADOの録音だが)とライブで歌っている部分がはっきりわかる歌い方をしていて(バックコーラスではマイクを口から離すのだ)、大事なところは全部、ライブで歌っていることがわかる。すごいの一言。向こうの人のコメントで、ADOのグラミー賞を受賞を期待する声が相次いでいた。個人的に言えば、グラミーなど別に取らなくてもいいが、ADOが夢としてあげていることの一つらしいから、いつか取れればいいと思っている。


<了>


ADO日誌(2023年)

 

ADO日誌(2024年)①

 

ADO日誌(2024年)②

 

アド日誌(2025年)



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