

映画感想文「グリーンブック」(2018)
今、見終わったところだが、いやあ、いい映画ですな。アカデミー賞の主演男優賞はアル中の役をやると貰えるという時代があったらしが、 作品賞はやはり、こういう日向的な、気持ちが明るくなる、格調の高い映画がいいですね。 途中まで、オスカー・ピーターソンのエピソードに触発されたストーリーかと思っていた。 ピーターソンは、映画の主人公と同じトリオの黒人ピアニストだし、クラシックのバックグラウンドがある。 名前が出てこないが、ある白人の興行師が、ピーターソンや、エラ・フィツジェラルド、ルイ・アームストロングを連れて、アメリカ南部をまわったことがある。このプロモーターは、黒人のホテル宿泊を禁じる南部の「慣習」に一歩も引かず、白人アーチストと同じ待遇を常に要求した。 道中、「白人用」のタクシーから降りるように警官に拳銃をつきつきられても動じなかったエピソードを後にピーターソンが語っている。 晩年は、スイスに移り住んでピカソの収集家として名を馳せたようだが、こういう人は大金持ちになる資格がありますね。 雨の中で、黒人ピアニストが、「私は白人には黒人として差別され、黒


映画スター追悼三題(ロバート・レッドフォード、ダイアン・キートン、仲代達矢)
2025年10月9日 産経ニュースから 追悼ロバート・レッドフォード氏 映画宣伝の神様、古澤利夫氏が伝説の邦題に込めた思い 「明日に向かって撃て」「大統領の陰謀」 、この頃は、よく考えられた邦題が多かったと思う。(ところで「明日に向かって・・・」は、 タクローが真似をしたのか、邦題の発案者がタクローの真似をしたのか? 時系列を調べればすぐわかるが、あえて調べない。)他にも「突破口」とか「弾丸を噛め」とか印象に残る邦題がいくつもある。後者は英題の直訳だが、英熟語の勉強になった。 英題をそのまま使うようになったのは 「エクソシスト」 とか 「オーメン」 とか、あのあたりからではないか?二つとも、簡単に邦題に直せそうな英語タイトルなのに(あちらのタイトルは、訳のわからない人名とか、そのままでは日本で使えないものも多いのだ)、あえてそのまま使ったのは、明らかに意図的にそうしたのだ。オーメンはまだしも、エクシシストとなんか、当時なんのことかわからない。 映画がヒットして、エクソシストはほぼ日本語になり、海原千里万里が、「海原千里です、万里デス、エクスシスト


【再掲】映画「ブラックレイン」の健さんの日本人英語がかっこいい
※最近、高市早苗の「経歴詐称疑惑」が話題になったので、YouTubeで検索して、彼女の英語スピーチを見てみた。確かに、上手くない。完全な日本人発音だし、早口で、ネイティブっぽく喋ろうとするのが、なんか痛々しい感じ、英語で苦労したんだろうな、という印象を持った。 しかし、これが即、経歴詐称につながるかというと、あの世代の日本人が勉強して覚えた英語は、だいたい、こんなものではないか。(自分もだいたい同じ世代) 少し若い世代、例えば、小室圭さんの英語のインタビューを聞いても、同じような日本人英語だし、それで弁護士試験に通って、我が元プリンセスを養っているワケだから、別にネイティブみたいに喋れなくても仕事はできるのだろう。喋れることが当たり前のネイティブが重視するのは、ペラペラ喋ることよりも、むしろ話の内容ではないかと思う。 自分は英語で苦労して、結局、全然上手くならなかったくちなので、彼らの英語に文句をつける気持ちはさらさらないが、自分が模範としたい・・・、というか、憧れている英語話者がいる。以下、そのことについて以前投稿した文章。 ・・・・・・・・・


小説「火垂るの墓」橋爪功の名朗読。
Netflix でアニメ「火垂るの墓」が世界配信され、少し話題になっているようだ。自分も久しぶりにこの戦争映画の傑作を見返して感動したが、疑問に思うこともあって原作を読み返してみようと思い立った。が、あると思っていた文庫本が見当たらない。...


タイ映画「Useful Ghost」がカンヌで批評家賞。掃除機に生まれ変わった妻の話し?
Useful Ghost「役にたつ幽霊」なんか奇を衒ってるなあ。カンヌで批評家賞を取ったということだから、面白くないのではないか。主演は、痩せすぎの美人女優、マイ・ダウィカ。まあ、掃除機として生まれ変わった幽霊の役には合っているかも。なぜか、カンヌに出品されてから、国内で公...


映画史的ゴシップへの誘い~「絢爛たる影絵 小津安二郎」より
2021年9月26日に投稿 ◇映画史的ゴシップへの誘い~高橋治「絢爛たる影絵 小津安二郎」 と、大げさに題したが、松竹の代表的映画監督である山田洋次が、実は、大監督小津安二郎の不興をかっていたのではないか、という「憶測」を書く。妄想に近い憶測なので転載を禁じます。...


【再掲】ある映画サイトへの投稿から〜「東京物語」堤防での老夫婦のシーンから
※小津の名作「東京物語」の熱海の防波堤のシーンです。クローズアップしたわけでもない、ほんの些細な手の仕草が、異国の青年の無意識を刺激した事について、ある映画サイトへ投稿したもの。 ちなみに、YouTubeにおけるこの映像の引用は、 こちら側が収益権を放棄をすることにより著作権者に容認されています。 ◇東京物語~防波堤のシーン タネアカシあり 10年くらい前、こちらの(タイです)ある掲示板で、ニュージーランドの若い人と「東京物語」について話しをしたことがある。この青年が「 あのお婆さん、時々腕をもんでたでしょ。自分の祖母もああいう風に腕をもむ動作をよくしていて、脳梗塞で倒れて亡くなったからよく覚えている」 と言うのですね。その時は「なんという観察力!気づかなかった」とかなんとかコメントして、長いこと忘れていたのだが、今回、ふと思い出して確認してみた。 これがなかなか見つからないのですな。彼の言葉から、お婆さんがしょっちゅう、腕あるいは手を揉んでいたような印象を受けたのだが、どの場面だかわからない。「そんないい加減なことを言う奴じゃなさそうだったが・


【再掲】◇映画「シンドラーのリスト」の感想文
初めて見た。名作。 「戦犯国家ドイツに免罪符を与える映画」とかなんとかいう人がいるかもしれないが、ドイツ人だって、ああいう作りにしないと、ホロコーストの映画なんか見る気がしないだろう。良心的で魅力的なヒーローに感情移入することによって、自国のあれほどの恥ずべき歴史を、最後まで見通すことができるし、若い世代にロールモデルを提示することもできるのだ。 ただただ、 悲惨かつ卑劣、醜悪な歴史の現実を描く映画は、拒否反応を呼び起こして、おそらくネオナチを生み出すことの方に寄与するだろうし 、劇映画ではなくドキュメンタリーでやることだと思う。 エピローグに、シンドラーによって現実に収容所を生き延び人たちが、映画でその役を演じた俳優とともに、シンドラーの墓に石を捧げるのだが、最後に花を置いて、墓の前に佇むロングショットの人は、主役の男優だろうか。名前、忘れたが、良い演技でした。(最近、The Naked Gun のリメイクで主役を演じているのを見て驚いた。晩節を汚さないでほしい) ちなみに、この映画を見る前に見たナチスのドキュメンタリーによると、ポーランド侵略










