映画の映像的引用について
- somsak7777
- 2022年11月30日
- 読了時間: 2分
YouTubeで映画の名シーンや予告編を映画会社と契約して配信していたMovie Clips を Rotten Tomatoes が買収したようだ。以前のオレンジ色のロゴが青に変わりRotten Tomatoes の文字が入っている。サブスクライバー5870万人。
映画に関して話しをする時、映像がないと、どうしても隔靴掻痒という趣きになる。しかし、ヘタに映像を引用すると著作権侵害の恐れがあるし・・・と悩むところだが、ここから引用すればその恐れはない。みなさんも利用してはいかがか。
MovieClips + 映画名で検索すれば、だいたいの映画の名場面集が出てくる。もっとも必ずお気に入りのシーンが出てくるとは限らない。先程も「ミッドナイトラン」のお気に入りのシーンを探したがなかった。「再婚した元妻のところに金を借りに行き、そこで実の娘と再会する」というシーンである。デニーロは自分を恥じて娘と目を合わすことができない。娘は父親の顔を真っ直ぐに見つめてくる。思春期の娘の思い詰めたような清冽な表情が強く印象に残る素晴らしいシーンだった。もし映像が引用できれば、今ここでその表情をお見せできるのだが(隔靴掻痒・・・笑)
だから今回「腐ったトマトのムービークリップ」から引用したのは、名作「大脱走」のラストシーンとなった。国境越えに失敗した独房キング、ヒルツ(スティーブ・マックイーン)は、収容所に連れ戻され、一緒に脱走した捕虜達が、ウィーン条約を無視したナチスにより大量処刑された事を知る。不敵な表情でナチスの新収容所長を睨むヒルツ。そしてヒルツは、仲間から放られた野球のグローブを受け取って、いつもの独房に堂々と歩いていく。看守のドイツ兵が独房の鍵を閉めると、ヒルツが壁に投げつける野球の球の音が聞こえてくる。呆れ顔で振り返るドイツ兵。大脱走のマーチが被さりじジ・エンド。息を飲むほどにカッコいいラストシーンだった・・・と、こういう風に説明しなくとも、映像が引用できれば見ればそれでわかるわけだ。
ちなみに私が見た「大脱走」の吹き替えでは、捕虜仲間がヒルツにグローブを放る時に「ホイ、嫁入り道具」というセリフがついていた。クリップを見ると、オリジナルでは「ヘイ、ヒルツ」と言っているだけである。だとするとここは、翻訳者か声優さんの機転でこうしたという事だろう。ユーモアと不屈のヒロイズムが滲み出る見事な意訳だと思った。
Rotten Tomatoes Movieclios について https://en.m.wikipedia.org/wiki/Rotten_Tomatoes_Movieclips
ではでは
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