フンセン氏、夫妻でお国のために不眠不休・・・ってか?(笑)(テレビ日記8月より)
- somsak7777
- 8月4日
- 読了時間: 4分
更新日:8月14日
2025年8月4日(月)
※写真は、24時間、お国のために身を粉にして働くフンセン夫妻。

写真はフンセンのフェイスブック公式から
フンセンが夜中の3時にフェリスブック投稿を更新したことがタイメディアで話題になっている。本人がやっているはずもないのだから、あまり、意味がない指摘なのだが、今、タイのメディアは完全にフンセンいじりムードだから、「不安で夜も眠れないので傍迷惑なことをしているのか」といいたいわけだ。
投稿写真には、フンセン宅での会議の風景(みんな携帯を見ている)のほか、ティア・バン元国防大臣とのズーム会議や、婦人との2ショットがアップされていた。婦人との写真は確かに唐突な印象があり、もしかしたら、例の生成AI不倫写真を意識して、夫婦円満をアピールするのが目的かもしれない。件の国防省スポークスウーマンが、異例の出世を遂げたことに、フンセン夫人が疑念を抱いていることは¥事実らしいのだ・・・と・・・タイメディアでは専らの噂であるwww。
真面目な話で言うと、現在の閣僚のうち国防大臣(ティア・セイハ)と内務大臣(ソー・ソカ)は、かつてフンセンの息子(現首相フン・マネット)のライバルと目されていたようだ。名前を見るとわかるように、二人はそれぞれ、ティア・バン元国防大臣、ソ・ケム前内務大臣の息子である。両家とも、世襲議員どころか、大臣ポストまで受け継いている実力一家であるわけだが、特に、ティア・バン氏は、ココン州出身のタイ族系のカンボジア人であるため、何らかのアクションを起こすのではないかという憶測がある。
しかし、公共放送のある番組に出演した事情通のカンボジア研究者によれば、ティア・バン氏は、2018年の選挙の後(フンセンは前年に野党第一党を解体し選挙で圧勝した)、軍内部での実権を奪われ、息子もシュムレアップ州知事に飛ばされた。一旦、フンセンに遠ざけられたわけだが、2023年の選挙後にフン・マネットが首相に就任した時、ティア・セイハが国防大臣に選ばれることで手打ちができたらしい。
と言っても、ティア・セイハは実戦部隊を掌握しておらず、軍の99パーセントは、フンセン親衛隊(1997年のクーデターの後に設立された、現在は、Bodyguard Head Quarter =BHQに改称)の司令官でフンセン子飼のヒン・ブン・ヒィアン大将が握っているそうだ。
昔から人民党内部でフンセンのライバルとされてきたソ・ケム元内相についても同じことが言えるのだという。つまり、タイメディアが願望を込めて予測する「戦場での敗北によるフンセンの権力基盤の弱体化」は、当面、ないだろう・・・という見方だった。
ちなみに、番組に出演した、このカンボジア専門の先生(名前忘れた。あとで調べる)がなかなか面白い。「カンボジアでフンセンを公に批判することはあり得ない。すぐ逮捕されてしまうから」とオンエアで言い切っていた。フンセンを目の敵にしているるところ、プーチンに対する「筑波大学名誉教授」のような存在という印象がある。今、メディアでも引っ張りだこなのだが、筑波の先生(元かな)と違って、細かいディティルにこだわる人で、どっちでもいいような名前の発音をよく訂正する。
※カンボジア通の先生はソムリット・ポングーンという人。肩書きがないところを見ると、在野の研究者らしい。タイは、こういう在野の学者が、メディアなどで、発言することが多く、こういう人の方が発言が面白い。この人も、フンセンへの辛口批評が面白いので、これからベンチマークすることにする。ちなみに自分が見たのは、タイの公共放送の番組。以下、埋め込みが設定で禁じられているようなのでアドレスのみ。
彼の言っていることは、「名誉教授」のようなギャグやウケ狙いではなく、本当のことだと思う。少し前にも、タイで働くカンボジアの女性労働者が、なんの変哲も無いフンセン批判をしただけで、「治安撹乱罪」か何かの罪状で逮捕状が出た。すると、タイ政府は、カンボジア政府の身柄引渡しの要求にすんなりと応じて彼女を送還してしまった。あの程度の発言で逮捕状が出るのなら、最近、石破のことをめちゃくちゃ言っている自分などは、とっくに送還されて牢屋に入っているだろう。
ASEANをやたらに高く評価する日本の政党があるが、これがASEANの実相なのだと思う。「反共同盟」でなくなった点は良かったが、代わりに、「脛に傷持つ権力者の体制を超えた助け合い同盟」(長いか!)となってしまったのだ。お互い触れられたくない傷があるので、「内政不干渉」を言い訳に、背中の掻きっこをするのである。
それがほんの半年くらい前のことだ。タイとカンボジアは、チナワット家とフンセンとの特別な関係から、ことさら「助け合い」が緊密と思われていたのに、ものの一年もたたないうちにこうなってしまうのだから、自分のような素人には、国際情勢はよくわからない。しかし、これはタクシン家にとっても予想外だったのではないか?さもなければ、現在、職務停止中のお嬢様首相が、フンセンに対して、あそこまで不用意な発言をするはずがない。
<了>









コメント