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アヌティン首相、負傷兵士の慰問中に涙!(テレビ日記2025年11月より)

  • somsak7777
  • 11月12日
  • 読了時間: 3分

更新日:11月12日

2025年11月12日(水)


アヌティン首相、地雷で負傷の兵士慰問中に涙


ThaiPBSより 


先日、タイの兵隊が国境パトロール中地雷を踏んで四人が負傷。これまでも、カンボジア側が敷設したとされる地雷を踏んで、タイ兵が何人も足を失っているので、タイ世論は一気に硬化、政府は、先ごろ合意した「和平合意」の執行停止を宣言し、予定されていたカンボジア兵捕虜の解放も延期された。


カンボジア側は「1970年代に敷設されたもの」「国境パトロールは控えた方がいい」と、しらばくれているが、和平合意以前は「タイ側が敷設した地雷、自作自演」と主張していたわけだから、多少はましな反応になったわけだ。


タイ側が一連の地雷事故について「カンボジア軍が新たに埋めた」としている理由は、事故を起こしているのがPMN-2という比較的新しい型の地雷であり(タイ側にこの型は存在しないそうだ。タイはオタワ条約に加盟していないので地雷のストック自体はある)、タイ側が国境で除去に成功した同型地雷の敷設跡もまだ新しいのだという。


さらに、カンボジア兵の携帯から、同型地雷の敷設方法を教える「教習ビデオ」(忘備のためだろう、敷設方法を説明する上官を携帯で撮影している)まで発見され、タイ政府はこれを国際機関に証拠として提出している。


事実なら、明々白々な地雷禁止条約違反(カンボジアは加盟)だが今回の地雷が、先月の和平成立前に埋められていた可能性はあるのではないか?カンボジアとの和平の条件として、タイ政府は、「カンボジアによる地雷の除去」を要求していたが、カンボジア軍の技術的能力を考えると、地雷除去がすぐにできるとも思えないのである。地雷マップをちゃんと作っているかどうかも疑わしい。


いずれにしろ、国境線が未確定なのだから、地雷の除去は、両国の合意の上で進められるわけで、ましてや、今回、地雷事故の起こった場所は、タイ側が実効支配する場所のようなのだから、カンボジア側は手を出せない。和平前に埋めた地雷が爆発する事故は今後も起こりうるのではないか。


和平をオジャンにしないように、両政府に冷静な対応が求められるが、昨日、負傷者を見舞いに訪れたアヌティン首相は、なんと、兵士との対面の場で涙を流している。感情的になるのはこの人のキャラでもあるのだが、写真を見ると、慰問された兵士の方が、驚いているようだ。自分も驚いた。


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※写真はカオソット英語版から。


軍の「最高司令官的立場」(憲法上、最高司令官は国王陛下)にある人が、国家の危機に際して泣くのはいかがなものか?・・・と、そういう批判も出るだろう・・・、が、昨今の、タイ世論の沸騰ぶりを見ると、このパフォーマンスはむしろ国民に「受ける」のではないか?


先日、フィリピン、ベトナムで100人以上の死者を出した大型台風カルマエギが、タイのイサーン南部を襲った時、台風のルートが少し南にそれて、カンボジアのストゥントレン州を直撃し、大きな被害が出た。そのニュースを知った時、自分の周囲の人間やネットの反応は、「神風!」と言わんばかりの快哉の叫びようだった。台風はカンボジア通過後勢力を弱め、タイを通り過ぎるときには熱帯低気圧になっていたのである。「天はカンボジアではなくタイを味方した!」というわけだ。


しかし、まあ、自分もその地域に住んでいるので、手塩にかけた「お花畑」がめちゃくちゃにならずにすんでよかったと思っている。また、イサーン南部は、今、米の収穫期であり、うちの田もまだ稲刈りがすんでいなかった。うーん、やっぱり「神風」か?(笑)


<了>

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