

【再掲】2025年2月1日タイ統一地方選に見る政党と有権者の「阿吽の呼吸」
せ 2025年2月1日、今日は、タイの「地方統一選」の日。県行政機構委員長と県行政機構委員が選出される。県行政機構とは、地方自治を代表する民選の行政委員会で、公共事業の予算配分に権限を持つ。一方で、内務省が任命する県知事がおり、こちらは公務員を統率して、県行政機構が決定した方針を実行に移すのが役割のようである。 この他にも県議会があるのだから、県行政機構は、行政機関のはずだ。法律でも、同機関は「県最大の(権威を持つ?)行政機関」と定められているが、一方で、公務員を統率して政策を実現するのは国から派遣された県知事なのだから、どう見ても二重行政のように思われる。つまり、県知事は、地方自治に国がグリップを効かせるための歯止めの役割をしているようだ。 法律を読んでもよくわからないので、パンティップというタイ最大の掲示板サイトをのぞいてみたが、ちゃんと理解しているタイ人はいないようで、例えば、こんなことを皮肉っぽく書いて、二つの役職の役割分担を尋ねる問いに、お茶を濁していた。 これが違い・・・ 県行政機構委員長ー金で票を買う 県知事ー金でポジシ


【再掲】タイ生命保険の感動CMから〜タイ懐メロの名曲「天上のフロアーで」
By Hideki AKIYAMA 日本でも少しだけ知られているタイ生命保険のコマーシャル。この広告シリーズの感動の押し売りには辟易させられることが多いが、このCMはそれほどわるくない。妻がアルツハイマーにかかった老夫婦を演じる二人の自然な演技が素晴らしく、「きれいごとだなあ」と思いながらも感動させられる。監督はタイCM界の巨匠、タノンチャイ・ソンシウィチャイ。(※と、YouTubeの備考欄にあったが、もし間違っていたら教えてください) 妻が食事の時にいつもかけていたレコードに、今は妻を介護する夫が針を落とすと、記憶にふっと昔が蘇つて二人でタンゴを踊りだす、その曲が「いい曲だな」、と思ってオリジナルを探してみた。 曲名は 「天上のフロアーで」。歌詞の意味はざっとこんな感じだ。 心は楽園にいるように躍動し カンダルヴァ宮殿(インド神話の空想上の楽園)が近づいてくる タイの天使たちは抱擁しあい飛び去っていく 天上のフロアーを喜びに酔いながら アップテンポの優雅なリズムに心は夢見心地 歌の調べに酔って歓喜は極まる プラレーン(宮廷舞踊の一種)の素晴らし


【再掲】今月の表紙・・・タイ東北部のオバケ文化を深掘りする(サラカディー誌2023年8月号)
https://www.sarakadee.com ※2023年9月26日にアジア日誌に投稿投稿 <タイのピー文化を深掘りする> タイの文化、芸能、芸術、政治、環境、社会問題などなど、幅広いテーマを取り上げて、ハイクオリティな写真と共に深掘りしてくれる月刊誌、 サラカデディー誌 。今回のテーマは、タイ東北部の精霊(ピー)信仰である。「信仰」と言えば聞こえがいいが、オバケ、妖怪、魔物の類の、イサーン人の精神の基層を支配する混沌、迷信的なものへの依存と恐怖を、マニアックだが真面目な視点で解説してくれている。 私などは、この特集のおかげて、ピーカ、ピーポープ、ピーパオ、ピーポーン、ピーコンコーイなどなど、水木しげる張りに個性豊かなタイの妖怪世界に少しだけ触れることができた。上に挙げたのは、イサーン(タイ東北地方)南部に伝わる妖怪だが、ざっと紹介しておくと・・・ <ピーカ> 女性の体に憑依して浮気者にさせる妖怪。このピーに取り憑かれると、女性は昼間は家に引きこもるようになり、肌は黄ばんで器量が落ちるが、夜になると美しい女性に変貌して着飾って外出し、


【再掲】映画「ブラックレイン」の健さんの日本人英語がかっこいい
※最近、高市早苗の「経歴詐称疑惑」が話題になったので、YouTubeで検索して、彼女の英語スピーチを見てみた。確かに、上手くない。完全な日本人発音だし、早口で、ネイティブっぽく喋ろうとするのが、なんか痛々しい感じ、英語で苦労したんだろうな、という印象を持った。 しかし、これが即、経歴詐称につながるかというと、あの世代の日本人が勉強して覚えた英語は、だいたい、こんなものではないか。(自分もだいたい同じ世代) 少し若い世代、例えば、小室圭さんの英語のインタビューを聞いても、同じような日本人英語だし、それで弁護士試験に通って、我が元プリンセスを養っているワケだから、別にネイティブみたいに喋れなくても仕事はできるのだろう。喋れることが当たり前のネイティブが重視するのは、ペラペラ喋ることよりも、むしろ話の内容ではないかと思う。 自分は英語で苦労して、結局、全然上手くならなかったくちなので、彼らの英語に文句をつける気持ちはさらさらないが、自分が模範としたい・・・、というか、憧れている英語話者がいる。以下、そのことについて以前投稿した文章。 ・・・・・・・・・


【再掲】ワンオクに関するノート
2022年10月20日(木) す、すごい。こういうのを聴くと、昔の日本の歌手は歌がへただったのではないかと思ってしまう。アデルのよりいいかも。でも、一方で、こういう歌を日本の歌手がうまく歌っても、あんまり意味ないんじゃない、と思ってしまう。こういうのは、あちらにいっぱいあるのだから。 2022年12月7日(木) ノート One OK Rock の評価が、YouTube 界隈で物凄いことになっている。確かに、今までの日本人が歌う洋楽(半分は英語で歌っている)のレベルを超えていると思うが、The Voice などを普段聞いていると、既視感というか、既聴感を感じてしまう。「別に日本人まで、同じようなものを歌わなくても」と思ってしまうのだ。映像は、One OK Rock の公式YouTubeから。この歌は新曲でもないようだが、過去の歌、といった位置付けの曲でもないよう。タイでも、新譜をいきなりVevoなどでYouTubeにアップしてしまうのが普通になってきているから、収益の重点が「売り上げ」ではなく、SNSの広告収入に移行しているのだろうと思う。これは、


【再掲】和楽器バンド遍歴
※上は、和楽器バンドのボーカルだった鈴華ゆう子さんの「甲賀忍法帖」。素晴らしい!。久しぶりに、和楽器バンドにハマっていたことを思い出した。 再び邦楽を聴き始めたのは、6、7年前で、ちあきなおみの歌のうまさにびっくりしたのがきっかけだった。その後、YouTubeで歌を聞いて、連想ゲームみたいにサーフしていくのが趣味となった。これはど安くつく趣味はない。 ちあきなおみの後に大ハマりしたのが、この和楽器バンドだった。演歌調・・・というか、詩吟調+αの女性ボーカルの歌声と、和楽器+洋楽器の共演が生み出す和洋折衷バンクロックの音の素晴らしさに魅了された。ボーカルの鈴華ゆう子氏は、東京芸大のピアノ科出身であり、かつ、詩吟と剣舞の師匠という存在そのものが超高品質の和洋折衷なのである。 バンドは、昨年末をもって解散もしくは活動休止となったが、鈴華ゆう子氏は、和楽器バンド結成以前からの仲間と共に活動を続けている。このセッションでは、三人(ゆう子さん、琴担当の人、ゆう子さんの旦那である、それからアクロバチックに尺八を吹く耳なし芳一)の他に、外から和楽器奏者を招いて迫


My Garden 2 2025/09/15 Buriram
BGM A Brand New Start by TrackTribe


My Garden 1 2025/09/15 Buriram
My Garden Cocktail Hour by Aaron Kenny Little Prelude and Fugue by Sir Cubworth Firefly by Chris Haugen


【再掲】日本保守党代表・百田尚樹の「子宮摘出発言」をタイの新聞が報道!
百田尚樹保守党代表 ※以下、昨年(2024年)11月17日に投稿したものを再掲。今年7月の参院選で日本保守党は2議席を獲得し、百田尚樹も参議院議員になった。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ タイの朝日新聞「マティチョン紙」が百田尚樹の女性蔑視発言についてやっと報道した。タイでは初めてだと思う。ちなみに系列紙「カオソット紙」も報じているが、同じ内容だと思うので、こちらはチェックしていない。記事のアドレスは以下。 https://www.matichon.co.th/foreign/news_4900291 一昨日の記事。発言があったのが11月8日、謝罪が10日だから、海外の記事としてはかなり遅い方だろう。百田を一貫して批判している飯山あかりによれば、これまでに20カ国以上が、この発言を記事にしていいる。 以下はAI(ChatGPT)による直訳。一切手直ししていない。 ◇激しい批判を浴びた日本の政治家、25歳以上の女性の結婚禁止・子宮摘出を提案 日本の政治家が、25歳以上の女性の結婚を禁止し、30歳を超えて子供を


今年も「メコンの火の玉」は打ち上がり、人々は熱狂する・・・?、ん、だろうな(ため息)
上は、昨年のメコンの火の玉行事に関するニュース。Amarin TVから。ペートンターン前首相が出席して大々的に、行事の開催を告げていた。火の玉現象を「タイのソフトパワー」として海外に売り出すのだそうだ。 「メコンの火の玉」とは、毎年、雨安居明けの日に、メコン川から火の玉が打ち上がる「怪奇現象」のことだが、自然を相手にしながら、毎年同じ日に行事化されていることが既におかしい。この、自然現象ならぬ「超自然現象」が、ある種の勘違いをきっかけとして、地方観光の目玉とされたことは、以前の投稿で説明しておいた。 ※「タイ的な、あまりにタイ的なメコンの火の玉の真相」 https://plaadipbkk.wixsite.com/plaadipbkk/single-post/mekong-fire-ball 外国から来た余所者としては、何事も深く突っ込まず、表層にパクチーをふりかけて楽しむタイ人気質を、珍しげに眺めているだけでよいのだが、火の玉のカラクリを暴いて左遷されたテレビ関係者や、この問題を追求し続けて、こっぴどく誹謗中傷を受けている反トンデモ系ユーチュー


【再掲】イサーンの集団埋葬地〜「パーチャー (埋葬の森)」
タイ村落部の集団埋葬地「パーチャー」 「埋葬の森」とでも訳すのか。タイ語で ป่าช้า パーチャー。寺の焼き場での火葬が一般化する前、亡骸が埋められていた森のことだ。私の奥さんの話だと、彼女の子供の頃、50年ほど前までは、この森に亡骸を運んで埋めていた。一種の集団埋葬であり、墓標で死者を明示するわけでもなく、埋葬すれば、その後、訪れることもなかったという。日本人の感覚からすると信じがたいことだろうが、生粋のタイ人は祖霊信仰を強く持たないから、そうであったとしても、不思議はない。 タイの葬儀については、火葬した後に、海や川に散骨するローイアンカーンがよく言われるが、奥さんの実家であるこのイサンの村ではそういうことはしない。お骨を骨壷に入れて、お寺か自宅に保管するだけである。しかし、そうするようになったのも、比較的最近のことのようだ。(パーチャーは埋葬地であると共に、そこで遺体を焼くこともあったようだから、火葬して遺骨を寺に預ける習慣は以前からあったのかもしれない) この森は、村から街道に出てすぐの所にある。パーチャーという言葉は知っていたが、こん


【再掲】今週の一枚〜メロン入りかき氷
2017年8月24日に投稿。物価や交換レートは当時のものである。 これは、タイのかき氷、タップティムクロッープ。タップティムは柘榴(またはルピー)、クローップとは噛んだ時のサクサク音の事。赤い柘榴の実のような粒菓(本物の柘榴の実よりは大きめである)を、細かくした氷に入れて食べることから、こういう名前になったんだろう・・・と思う。 高級タイ料理店のデザートとして出てくるときは、白いドクマリの花(ジャスミン)が脇に添えてある。だから赤と白のコントラストが美しい。 屋台で食べる時は、黒豆、干天、白玉、慈姑の実、杏仁豆腐、カボチャ蕎麦、レンコン等々、10数種類の具(トッピングという言うことにする)が用意されてて、選んだ数によって値段が違ってくる。 この日食べたのはショッピングセンターの屋台食堂街で売っているタップティムクロッープ。トッピングを3つ選べて値段は30バーツ(100円)である。これでも、通りの屋台で買うよりは少し高い。 ヤシの実のゼリーとカンテンの他に、テンタイ(แตงไท)を頼んだ。テンタイとは、上の写真にあるライトグリーンの果物


【再掲】軍事クーデタがミャンマー国境の犯罪地帯化に拍車。(USIP報告書)
Shwe Kokko Yatai Ciryのカジノ ※2021年4月26日に投稿した記事を再掲する。 同年4月21日付で発表されたUS Institute for Peace (USIP) のリポート抄訳。この報告書は、軍事クーデター後の混乱が、少数民族ゲリラと中国マフィアの結託を容易にし、ミャンマー国境地帯での違法ビジネス(違法カジノ、オンラインギャンブル、コールセンター詐欺)が制御不能になることを予見していた。 報告書では、仏教徒カレン族の支配地域にある大カジノ特区が主に取り上げられているが、同地域では、10月27日作戦以降、中国政府を刺激しないために、ターゲットを中国人以外にシフトする動きがあるのだという。事実だとすれば、国境での違法ビジネスは、東南アジア各国にとって依然として脅威であり続けることになる。 以下、USIP の報告書。 ~経済と政府の崩壊がミャンマー国境の犯罪集団に新しいチャンスを与えている~ ミャンマーがまた、国際的犯罪集団を引きつける強烈な磁場を持ち始めた。経済は崩壊、法秩序は失われ、混乱が拡大して、合法的なビジネスは殆ど


【再掲】タイ保健ボランティア制度が生まれるまで〜あるエリート官僚の回想(医療雑誌 HFocus のインタビューから)
By Hideki AKIYAMA ※以下の記事は、2021年6月2日に投稿された。タイの保健ボランティアは、コロナ流行の当初、ウィルスの情報提供、手洗い、マスク着用の奨励、検温、感染者の早期把握などに活躍し感染拡大の阻止に貢献した。多くは高齢者からなる、地域に密着したボランティアたちが、地道な努力によってコロナウィルスによる被害を最小限に食い止めたと思われたのだ。WHO、世界保健機關はタイの保健ボランティアを「名もなき草の根のヒーローたち」と称えさえした。 しかし、ウィルスの現実は残酷だった。ミャンマー人労働者が多く住むバンコク南郊の港町からコロナの感染第二波が始まり、その後、新型ウィルスは莫大な被害をタイにもたらすことになる。感染爆発が起こった港町・マハチャイのあるサムットサーコン県は、タイで初めてマスクの不着用に罰金を課した自治体であり、簡易検査を導入して迅速な感染状況の把握に努め、外国人労働者を保健ボランティアに組織する試みを進めていてた。当時、これらの取り組みは「サムットサコーンモデル」と称賛され、コロナ対策の模範とされていただけに衝撃


【再掲】タイの田舎で小さな家を建てる
2025年01月27日(月) 昨年12月始めに作業を開始してから26日目。旧家屋の解体に4日かかっているから、柱立ての儀式(2025年1月6日)をして建築を始めてからは22日目である。この他に土入れして敷地を80センチほど高くするのに3日かかっているが、こちらは、建築を請け負ったグループとは別である。造成してから土が落ち着くのをひと月ほど待ったので建築の開始が翌年にずれ込んだ。 建築をグロスで請け負ってくれた棟梁の話では、遅くともあと半月ほどで完成するという。だとすると、解体、造成に要した日数を除けば、1ヶ月ちょっとで、126平米平屋建ての家が完成するわけで、思っていたよりずいぶんと速い。毎日10人以上の職人が来て熱心に作業してくれるからだが、「モダーンデザイン」という設計を選んだからでもある。工法がシンプルなため工賃が安く、それにしては見栄えもいいので、タイで最近人気のある建築スタイルなのだそうだ。 Facebookには「自分はいかに安く家を建てたか!」を自慢する投稿がよく載っているが、その殆どが、この工法を採用して建てた家だ。それがだい







