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映画スター追悼三題(ロバート・レッドフォード、ダイアン・キートン、仲代達矢)

  • somsak7777
  • 11月25日
  • 読了時間: 4分

2025年10月9日


産経ニュースから


「明日に向かって撃て」「大統領の陰謀」、この頃は、よく考えられた邦題が多かったと思う。(ところで「明日に向かって・・・」は、タクローが真似をしたのか、邦題の発案者がタクローの真似をしたのか?時系列を調べればすぐわかるが、あえて調べない。)他にも「突破口」とか「弾丸を噛め」とか印象に残る邦題がいくつもある。後者は英題の直訳だが、英熟語の勉強になった。


英題をそのまま使うようになったのは「エクソシスト」とか「オーメン」とか、あのあたりからではないか?二つとも、簡単に邦題に直せそうな英語タイトルなのに(あちらのタイトルは、訳のわからない人名とか、そのままでは日本で使えないものも多いのだ)、あえてそのまま使ったのは、明らかに意図的にそうしたのだ。オーメンはまだしも、エクシシストとなんか、当時なんのことかわからない。映画がヒットして、エクソシストはほぼ日本語になり、海原千里万里が、「海原千里です、万里デス、エクスシストです」とネタに使うまでに浸透した。配給会社は冒険して賭けに勝ったのである。


ところでロバート・レットフォード 合掌 自分はやはり「大統領の陰謀」が印象に残っている。あと「スティング」かな。


ではでは



2025年10月12日



ダイアン・キートンのキャリアは、ブロードウェイミュージカルの「ヘアー」から始まったのだそうだ。(ちなみに映画化された「ヘアー」は早稲田のアクとミニシアターで見た)初めて知った。だから、このニュースの冒頭にあるように、歌も歌えるのである。


インテリ、進歩派女性としてのこの人の映画は、全然見ていないので、ゴッドファーザーのケイのイメージしかない。自分は、普通、女の人は、相手がいい夫でいい父親ならば、他のことはあんまり気にしないだろうと思っているので、ケイの性格設定には違和感を感じるが、ケイがいなければ、ゴッドファーザーパート2、パート3はなかったのである。特にパート3は、完全にケイが、物語の「もう一人の主役」だった。また、シチリアの逃亡先で結婚したイタリア女性が死ななかったら、マイケルは、もう少し幸せな人生を送れたのではないか、などどと思ってしまう(笑)ゴッドファーザーは、マフィアを徹底的に美化した完全フィクションなのだが、そんなふうに考えさせるのは、名作の名作たる所以。


ゴッドファーザーパート1のラスト、「何かに気づいてしまった」キートンの顔にドアがパタンと閉められる、あのシーンは、映画史に残る名シーンとして永遠に残ることでしょう。


合掌。ではでは



2025年11月12日



仲代達矢が亡くなった。日本映画史に残る名優だろう。


自分はやはり、黒澤映画での印象が強い。「用心棒」「椿三十郎」「天国と地獄」「乱」・・・。「椿三十郎」の三船の敵役は、自分が思い浮かべる河井継之助のイメージ。月代を広く剃って、腹から絞り出すような声を出す、あの感じが、「峠」の継之助を彷彿とさせるのだ。


「不毛地帯」「華麗なる一族」「人間の条件」 悲劇を背負って苦悩するエリートの役が似合う人だった。この人を見ると、シベリア抑留帰りの、なんとも言えず恐ろしかった伯父を思い出す。仲代とは似ても似つかぬ、禿頭のむさいオヤジだったが、ヌーボー、ボーヨーとして、腹から声が響いてくる感じが似ていたのだ。仲代は大変にハンサムな人だったが、「暗がりから牛」という雰囲気もあったのである。


テレビドラマでの代表作は「大地の子」だろうが、個人的には、松本清張原作の「砂の器」で演じた警部役が印象に残っている。原作にも映画にもない設定として、真野響子が、亡くなった妻の妹を演じるのだが、この真野が、とんでもなく美しい(単に真野響子のファンなのである)。真野が仲代に抱く愛情は明らかなのだが、結局、すれ違うラストが切なかった。今でも思い出すと胸が苦しいような気持ちになる(笑)


しかし、これ、相手役が、ヌーボー、ボーヨーとした「暗がりから牛」、仲代達也でなかったら、いやらしくなっただろうし、自分は嫉妬していい気分ではなかったろう。不思議な魅力のある人だった。


上のインタビューで仲代の思い出を語っている役所広司はやっぱり名優。役者がこういう事を喋って、わざとらしくならないのは、結構、難しいことなのではないか?完全に素でもなく、一番弟子としての自分の役割も意識した世間向けの顔。演技してるな、という感じもあるし、本当に悲しんでいることも伝わってくる、それがいい感じなのだ。こういう場合、役者が完全な素を装うと、かえって不自然な感じになるから、なんというか、その塩梅が難しいのだ。


合掌、ではでは

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