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マティチョンの見出しから(20170714-20号)

  • Plaadipbkk
  • 2017年7月31日
  • 読了時間: 4分

下の大きな見出しは、

「トランプ、プラユットにご執心?」

2014年、軍が権力を掌握した時、当時のオバマ政権はクーデターを非難し350万ドル相当の軍事支援を停止した。国務省の人身売買リポートでも、「状況の改善に積極的な努力をしていない国」としてタイのランクを一つ下げている。しかし民主的な価値感や人権を重視しないトランプ政権になって風向きが変わるかもしれない。マティチョンのこの記事によると、少なくとも軍政はそういう期待を持っているようだ。

先の4月30日、トランプ大統領とプラユット首相が5分間ほど電話で会談した。この時、トランプ氏は、タイを称賛し、多くのタイ人の友人がいると述べ、プラユット首相をワシントンに招待したという。

同誌によれば、タイ政府は発言を重視し、プラウィット・ウォンサワン国防大臣が、訪米の手土産として、米国から購入する武器のリストを作成せよと命じたという。リストは、F4、F16戦闘機から、銃砲、戦車、ブラックホーク戦闘用ヘリコプターや、軍用車両ハンビーまで長大なものだとも。

タイ側が特に執心しているのは、ブラックホーク4機の購入で、既存機に追加して16機の正規編成にする予定で購入が決定していたが、クーデター後の関係冷却化でペンディングになっていた。経済重視のトランプ大統領がアメリカが伝統的に錦の御旗に掲げる「民主主義、人権の重視」を棚上げして、売却にゴーサインを出すことを軍側は期待していると言う。

しかし、ここに来て、会談が近日中に実現するのかどうが、危ぶむ声が出てきた。当初有力視されていた7月19日は時間切れとなり、8月に入ればワシントンがバケーションシーズンに入るので会談の調整はほぼ不可能だという。

ドン・プラマットウィナイ外務大臣も、アメリカは首脳会談の実現に前向きに取り組んでいるとしながらも、「急ぐ必要はない」と発言をトーンダウンさせた。(米側から招待があったことは、在タイ米国大使も認めているようだから、根も葉もない話ではないようだが。)

タクシン派政権で外務大臣を務めたスラポン・トチラックチャイクン氏は、マティチョン誌の質問に答えて「プラユット首相は、ビジネスマン出身のトランプ大統領の社交辞令をまともに受けっとってしまったのではないか」と指摘している。

同誌は、政治的に対立するスラポン元外務大臣の意見は、割り引いて受け取る必要があるとしながらも、すでに、年内実現を危ぶむ声が出始めているとし、米政権からの信任を得られると期待していた現政権にダメージになるだろと分析している。

 ※7月31日現在、会談は実現しいない。

右上の小さな見出し

「スダラット氏、持ち上げては叩く、と噂を否定

タイ貢献党はまだ党首を決めていないと断言」

スダラット・ケユラパン氏はタイ愛国党の創設メンバーでタクシン元首相の側近。タクシン政権で閣僚を歴任したが、愛国党が解党判決を受けた時、101名の党執行部メンバーとともに5年間の公民権停止を宣告され、政界から一時身を引いていた。

が、ここに来て、政界に復帰して、貢献党の党首の座につく可能性がささやかれている。上の見出しは、その噂を完全に否定したもの。「持ち上げては叩く」とはタイ語を直訳すれば、「高く掲げてから切る」出る杭は打たれる・・・的な意味かもしれないが、ニュアンスとして弱すぎるので、上のような訳にした。

スダラット氏は今年6月、中国政府の招きを受けて貢献党メンバーとともに北京を視察、タイ産農産品の中国への輸出振興や、一路一帯政策への協力などについて中国高官と意見交換した。この時、タクシン氏の政策ブレーンで顧問委員会の長を務めたパンサック・ワンナラット氏も北京を訪れており、滞在が重なったことが、「党再建に関して秘密の話し合いがもたれたのではないか」という憶測を呼んだようだ。

「選挙までの道のりはまだ遠い」と党首候補との(タイ貢献党の場合はすなわち首相候補になるということ)噂を完全否定したスダラット氏は、タクシン氏が3年前のクーデター以降沈黙を守っていることを指摘して、「もう政治にかかわるつもりはないのではないか」と心境を推し量っている。これが、彼女の本音であるとどうかは、まったくもって藪の中だが。

最後に、上の見出し、本当の名前ではなく、それぞれのニックネームで呼ばれている。名前を全部書くと長くなるので、見出しなどではそうするのである。スダラット氏は、ジェノーイ。ノーイ姉さん、中国系の女性をこう呼ぶ。

プラユット首相は「トゥー」タイの大将クラスの有力軍人は、あだ名に敬称的に「ビッグ」をつけてメディアに呼ばれることが多い。例えば、プラユット首相なら「ビッグトゥー」、プラウィット国防大臣は「ピッグポーム」、アヌポン内務大臣は「ビッグポーク」などなど。

ちなみにタクシン元首相はメーオ。ジンラック元首相はプー。アピシット元首相はマーク。これがわかってないと、タイの新聞の見出しは理解できない。

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