マティチョンの見出しから(2017.07.21-27号)
- Plaadipbkk
- 2017年7月29日
- 読了時間: 3分
タイ政治のあまりのByzantineさに新聞に目を通す気もなくなっていたが、ボケ防止のために、マティチョン誌見出し記事の概略紹介を始める。不定期。 .
マティチョン誌の見出しから(2017年7月21日~27日号)

中央見出しは、
「ロードマップにつぐロードマップ 選挙は2018年8月19日実施か?」
選挙委員会が、具体的な選挙までの日程を提示した。来年3月末に選挙関連法が施行される場合、政党登録、候補者の受付など一連の手続きを経て、同年8月19日に選挙を実施するというもの。選挙委員会は新委員が選ばれることが決まっているので、現委員達の軍政への置き土産(最後っ屁?)とも言える。今年4月に施行された新憲法は、選挙実施の時期にも言及しており、憲法上は来年中に選挙を実施しなければならないのだとのこと。
しかし、選挙実施のためには、新憲法施行に伴う関連4法の成立が必要で、立法評議会(民選の国会ではなく軍政が選んだ任命議員による立法機関)での審議が長引いて、選挙は2019年にづれこむ可能性が高いという見方も紹介している。現政権としては、選挙に強いタイ貢献党(タクシン派)の勢力を徹底的に弱らせてから選挙に臨みたいというのが本音だとも指摘していた。
2014年のクーデターいらい、軍政は民政移管への「ロードマップ」を次々と反故にしてきた。クーデター直後には翌年の総選挙、その翌年には東京で安倍首相に対して2016 年の選挙実施を確言し、またその翌年、国連総会での演説では2017年に選挙を実施すると宣言している。今回の選挙委員会の声明は、閣議決定を経ていない独自のものだが、マティチョン誌は現委員達が筋を通したことを評価しているようだ。 右上の小見出し
「8人殺害事件を解決、成果を見せる 国家警察司令官は留任か?」
タイの会計年度は10月から始まる。軍、警察、その他の高級官僚が9月30日づけて退任するので、ここ数か月間は人事のシーズンとなる。玉突き的に閣僚人事にも影響し内閣改造が俎上にのぼる。 今回の人事の目玉は、心臓バイパス手術から復帰したプラウィット国防大臣。「永世国防大臣」と呼ばれ、ブラパーパヤット(東部軍管区閥)の親玉としてプラユット首相も一目おくフラウィット大将だが、健康不安説から一時は退任の噂さも流れていた。
しかし、手術からは順調に回復しているようで、今度は、「プラユット首相は同大将を内務大臣に横滑りさせて総選挙を管轄させるのではないか」という噂が流れはじめた。国防大臣には現内務大臣のアヌポン・パオチンダー大将を任命するのだとも。首相、両大将ともこの噂を完全に否定しているが。いずれにしろ東部軍管区派閥の3人組が政権を牛耳ることに変わりはない。
チャクラティプ国家警察司令官が退官まで3年を残して交代するのでは、という憶測もある。そのためかどうか、チャクラティプ警察大将は、南タイの一家8人殺人事件の現場をはるばる訪れて自ら記者会見に臨むは、警察の車列のそばで転倒した自転車の女性を、車から降りて自ら助け起こすは、と自己アピールに大わらわである・・・と、こんな感じの冷やかし気味の記事も。
しかし、タイ犯罪史でもまれにみる凶悪事件の犯人を迅速に逮捕したことで、かなりの得点を稼いだとして、「国歌警察司令官の首はこれでつながるかもしれない」と結んでいる。
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