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今日の一句 国葬の日に
- Plaadipbkk
- 2017年10月29日
- 読了時間: 2分

前の国王陛下の葬儀を見て
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幾千万の黒埋め尽くす夏の寺 万斛
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政府発表では、およそ2000万人が全国各地に設置された葬儀場をおとずれたという。写真は、バンコク市内エカマイ地区のタットーン寺のもの。
この日は、よく晴れ上がって気温も上がったから、季語は夏とした。その日の天候、肌に感じる空気、撮影した写真の色合いや、光の感じなどから、季語が変わってくるのは、タイにそもそも季語の概念が無いのだからしかたない。
かってにタイの歳時記を作ってしまうという手もある。例えば、ドリアンなら出始めは雨季が始まる5月頃、価格も高騰して、日本でいう初ガツオのイメージとなる。雨季の訪れを告げる季語になるだろう。
国王陛下の命日、葬儀の日も、その時期がくれば国民が必ず脳裏に思い浮かべる圧倒的な共有体験だから、間違いなく季語になりうる。
例えば、下のような句だと、青葉は季語にならなず、季重なりにはならない。タイはほぼ一年中青葉だから、青葉は季節を示唆する要素となりえないのである。タイ歳時記においては「陛下逝く」が10月の季語になる。終戦記念日が日本人にとって夏の季語になるように。
金色の伽藍と青葉陛下逝く 万斛
写真は、国王陛下が荼毘にふされた2017年10月26日に撮影。
文章は、2017年10月29日、葬儀の最終日に記す
合掌
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