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連作唱歌「子供の情景」~⑫「夢」

  • Plaadipbkk
  • 2017年9月26日
  • 読了時間: 2分

12.夢

喧噪のカフェでひとり見る夢は  母さんの日傘 睡蓮の夏

マネとモネをよく混同するので、あのパラソルを差した母親と幼な子の絵や「睡蓮」もマネかと思っていた。実際はモネ。この女給さんの絵はマネだから、上の短歌のイメージは、マネモネの混合物ということになる。

曲は、田中穂積作の「美(うるわ)しき天然」。乱歩のよく知られたフレーズ「現世はゆめ 夜の夢こそまこと」を借用して、勝手に歌詞だけ変えて改作した。はなはだ不遜な話ですが、みなさん、もうずいぶん前に亡くなってるからいいでしょう。

マネのこの絵ほど、白昼(ま、夜だけど、起きてるから)夢を見る人を、辛辣かつ美しく描いた絵はないのではないか?ルノアールの「猫を抱く少女」も夢みているけども、彼女にあった無邪気さ、世の中から隔絶されて幸せを夢見る特権は、もうマネのこの少女にはないのですな。痛ましい・・・いやマジで(笑)

あと、ちょっと思ったのは、マネが構図を壊してまで、少し年かさの小太りの女の人を後景に描いたのは、少女の将来を暗示するためではないか。もうしばらくすると、この少女も、太り気味のあの女のように今の生活になれて、白昼、呆然するようなこともなくなるわけですな。つまり、それが安定した大人の顔になるということであって・・・。

「子供の情景」では一番長い。夜寝ながら聞くと、最後の「よーるみるゆーめなら、しーいーあーわーせに」というところで、コトリと眠りにつけるように作ってあります(笑)

世間話的解題 その十二

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